持続化給付金は、売上が50%以上減少した事業者に対して、給付される「返さなくていいお金」ですが、
これと似た名前で、「持続化補助金」というものがあります。
「持続化補助金」はなにも今回のコロナ禍の緊急経済支援策で打ち出された施策ではなく、
もともとある人気の経済施策であり、事業者の中には、「すでに使ったことある」
という方も多くいることでしょう。
(弊所も令和元年の持続化補助金の採択を受けております)
その、持続化補助金が、今回は、今までのもの(一般型)に加えて
コロナ対応型が準備されており、ここに、応募が集中してます。
先日、ある商工会議所に問い合わせたとこと、申込が殺到しています。
と担当の方が悲鳴を上げておりました。
(実際に、弊所でも今回のコロナ対応型の持続化補助金への申請のご相談を多くお受けしております。)
この、持続化補助金ですが、弊所としては広く、多くの事業者に応募をおススメしています。
その理由とは。
本日は、そんな記事をお伝えしてまいりましょう。
ややこしいネーミング、持続化給付金でなく、持続化補助金ってなにが違うの?
まず、基本的なことから。
補助金と助成金はどちらも「もらえるお金」と認識され、混同してしまっている方が多いと思います。
返済の必要はない(=もらえるお金)という点は助成金も補助金も同じですが、異なる点が大きく3点あります。
《異なる点①》
「補助金」と名前のつくものは、先にお金はもらえません。
実際に支払った経費に対して、後から「補助」されます。
この点、助成金は申請したものに対して、助成要件を満たしていれば、すべてに助成されます。
《異なる点②》
補助金は予算の範囲が決まっています。
したがって、
申請のあったものに対して、抽選や公募審査があり、
また、申請の期限や回数なども決められています。
《異なる点③》
補助金は、補助金を受けた後に活動の効果報告をする必要があります。
実際に、補助金を受けて活動した結果、経営状況がこんなに改善したよ、と報告するのです。
多くの補助金が5年間の報告義務があります。
助成金は、このような報告義務は基本的にありません。
お金をもらったら、それでおしまいです。
これらのことを持続化補助金と、持続化給付金にあてはめて考えると、
違いがわかりやすいと思います。
ここに、それぞれのフライヤーを添付しますが、
気を付けていただきたいのが、
持続化給付金も、持続化補助金も、6月の補正予算にてその制度の拡充が予定されています。
(詳細はこちら★)
そもそも持続化補助金って?私は活用できるの?
そもそも、持続化補助金ってどんな制度なのでしょう?
小規模事業者持続化補助金【コロナ特別対応型】とは持続化補助金のコロナ特別対応型について、要点をまとめると次のように表すことができます。
新型コロナウイルス感染症が事業環境に与える影響を乗り越えるために、サプライチェーンの毀損への対応、非対面型ビジネスモデルへの転換、テレワーク環境の整備といった対策に取り組む小規模事業者等が、地域の商工会または商工会議所の助言等を受けて経営計画を作成し、その計画に沿って地道な販路開拓等に取り組む際の費用を最大100万円、補助率2/3(6月中旬に最大150万円、補助率3/4に変更予定)補助する制度です。
受付は通年で行われ複数回の締切が設けられる予定で、現在公表されている締切は
第1回:2020 年5月15日(金)
第2回:2020 年6月5日(金)
第3回:2020年8月7日(金)
第4回:2020年10月2日(金)
となっています。
持続化補助金を簡単な言葉で平たんにお伝えすると、
「コロナ禍の影響も大きくあるけれども、それでもめげずに、これからの経営計画をしっかりとたて、HP開設や、ブランド力UP、商品サービスのプロモーションにしっかりとお金を投入して売上を伸ばし、経営を持続化していく意思のある事業者に向けて、補助金を出しますよ」という制度です。
小規模事業者持続化補助金【コロナ特別対応型】の補助対象事業
補助対象となる事業は、次の(1)~(4)の要件をすべて満たす事業であることが必要になります。
(1) 補助対象経費の1/6以上が、以下のいずれかの要件に合致する投資であること。
(※こちらの要件はコロナ対応型の持続化補助金でなく、一般の持続化補助金を申請する場合には必要ありません)
A: 顧客への製品供給を継続するために必要な設備投資や製品開発を行うこと(サプライチェーンの毀損への対応)
B: 非対面・遠隔でサービス提供するためのビジネスモデルへ転換するための設備・システム投資を行うこと(非対面型ビジネスモデルへの転換)
C:従業員がテレワークを実践できるような環境を整備すること(テレワーク環境の整備) ※補助対象期間内に少なくとも1回以上、テレワークを実施する必要があります。
A:サプライチェーンの毀損への対応の事例
・外部からの部品調達が困難であるため、内製化するための設備投資
・製品の安定供給を継続するため、設備更新を行うための投資
・コロナの影響により、増産体制を強化するための設備投資
・他社が営業停止になったことに伴い、新たな製品の生産要請に応えるための投資
B:非対面型ビジネスモデルへの転換の事例
・店舗販売をしている事業者が、新たにEC販売に取り組むための投資
・店舗でサービスを提供している事業者が、新たにVR等を活用してサービスを提供するための投資
・有人で窓口対応している事業者が、無人で対応するための設備投資
・有人でレジ対応をしている事業者が、無人で対応するための設備投資
※単に認知度向上のためのHP開設は対象外
C:テレワーク環境の整備の事例
・WEB会議システムの導入
・クラウドサービスの導入
ここがpoint!
個人事業主の方は多くの方がB: (非対面型ビジネスモデルへの転換)で申請をしています。
個人事業主は製造業を実施していないことが多く、Aの(サプライチェーンの毀損への対応)がそもそも該当しなかったり、従業員を雇用していないことから、C(テレワーク環境の整備)が該当しないケースが多いためです。
(2) 策定した「経営計画」に基づいて実施する、地道な販路開拓等(生産性向上)のための取り組みであること。
持続化補助金の申請書には事業計画を記載する欄が設けられています。
ここで、どのように経営を持続化するための事業計画を記載するか、が、補助金申請が採択されるかどうかの分かれ道になります。
要件(2)の、地道な販路開拓等(生産性向上)のための取り組み事例は以下のとおりです。
・新商品を陳列するための棚の購入
・新たな販促用チラシの作成、送付
・新たな販促用PR(マスコミ媒体での広告、ウェブサイトでの広告)
・新たな販促品の調達、配布
・ネット販売システムの構築
・国内外の展示会、見本市への出展、商談会への参加
・新商品の開発 ・新商品の開発にあたって必要な図書の購入
・新たな販促用チラシのポスティング ・国内外での商品PRイベントの実施
・ブランディングの専門家から新商品開発に向けた指導、助言
・新商品開発にともなう成分分析の依頼
・店舗改装(小売店の陳列レイアウト改良、飲食店の店舗改修を含む。)
ここがpoint!
持続化補助金の採択を受けるためには、申請書の事業計画欄を補助金の目的を外れることなく的確に、そして、経営者としての熱い想いを記載しよう。
(3)商工会(または商工会議所)の支援を受けながら取り組む事業であること。
ここがpoint!
持続化補助金を申請するためには少なくとも、1回~2回ほど管轄の商工会議所での面談が必要になります。
弊所で申請をお手伝いさせていただいている方は1回の面談で申請することができておりますが、多くの方は、3回以上の面談が必要になっているようです。
(商工会議所によっては、コロナの影響で、直接の面談を行わずにメールやFAXで対応していケースもありますので、
申請を検討されてる方はまずは商工会議所に連絡してみましょう)
(4)以下に該当する事業を行うものではないこと。
・国の助成金・補助金と重複する事業
・概ね1年以内に売上げにつながることが見込まれない事業
・公の秩序もしくは善良の風俗を害することとなるおそれがあるもの
詳細はこちらをご参照ください
●持続化補助金 一般型
https://h30.jizokukahojokin.info/index.php
●持続化補助金 コロナ特別対応型
https://r2.jizokukahojokin.info/corona/
持続化補助金が個人事業主にとってもおススメな理由
ここまで、色々と制度の内容をお伝えしてきましたが、
記事を読み進めれば読み進めるほど、
「こんな面倒なこと、自分にはできない」とお思いの方がほとんどだと思います。
それでもあえて、弊所が持続化補助金をおススメするのは理由があります。
それは、ずばり。
「持続化補助金を申請することで、本当に事業が持続化していくから」
「個人事業主が使いやすい制度だから」
持続化補助金を申請することで、本当に事業が持続化していく
さきほどもお伝えしたように、持続化補助金の申請には、事業計画書をみっちりと記載する箇所があります。
(詳細は、こちらの様式2をご参照ください
https://r2.jizokukahojokin.info/corona/files/3015/9013/7050/koubo_r2c_ver3.pdf)
この事業計画書、
簡単そうに見えて、なかなか奥が深い。
数ページを記載するのに、大きな思考の旅にでなくてはならいという代物なのです。
弊所で、お手伝いをさせていただく場合は、この様式2の事業計画にじっくりと時間をかけて、
「絵に描いた餅」にならないように、そして、「申請が採択されるポイント」にフォーカスして
申請の準備をしていきます。
補助金の申請のために、事業計画を立てていると思いきや、事業主ご自身の意識改革が起こり、
今まで見えていなかった経営のフェーズが見えてくるようになる。
こうなったら、しめたものです。
事業計画が、しっかりとした骨子を持ち、事業主自身の進むべき方向性も定まり、その結果、補助金申請の内容に力が増す。
そうなれば、当然に補助金申請は採択されるでしょうし、
採択されれば、補助金という資金の見方も入ってくる。
しかも、事業計画で策定したプランは、そのまま実行すれば、結果的に経営を大きく向上させることにつながるのですから、
これは、一石二鳥、鬼に金棒、というわけです。
給付金や融資など、お金が入ってきて終わり、という制度だけでは、
なかなか、事業を持続化できるほどのパワーはでません。
付け焼刃な経営計画では、当然に、経営にひずみがでるでしょう。
ぜひとも、みなさんの経営の持続化を、「持続化補助金」で試してみてはいかがでしょう。
個人事業主が使いやすい制度
補助金には、様々な種類があります。
弊所のblog記事でも紹介した
- ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 上限1000万円(→2次補正予算で1050万円に引き上げられる予定です)
- IT導入補助金
もおススメの補助金ではありますが、これらの2つの補助金は個人事業主にはなかなか使い勝手がよろしくない。
製造業向けであったり、補助を受ける対象が高額なものばかりであったり、がその理由なのですが、
これらに比べて、持続化補助金は
・事業主が主体で、補助を受ける経費を決めることが出来る(一定の制限はあります)
・広く門戸が開かれている
という点で、個人事業主にとても親切な制度となっています。
申請方法が難しいように感じたり、分厚い募集要綱におののくこともあるかと思いますが、
そこを乗り越えて、持続化補助金にトライしてみてくださいね!
【個人セッション】
2018年11月にクローズさせていただいた、弊所の個人セッションを、期間限定で再開させていただいております。
皆さまお困りのこと。これからのお金のこと。これからの事業経営のこと。
個人的なお悩みでもドーンとなんでも!こい、です。
とにかく話を聞いてほしい。
そんなご要望にも、お応えさせていただきます。
コロナが落ち着き、皆様のお気持ちが安心安定する頃になったらこっそり看板を下ろします。
それまで、どうぞお気軽にご活用ください。
https://88auto.biz/marimatsudacpa/registp.php?pid=15