お天道様はいつでも
私たちを見守ってくれている。
毎日を丁寧に。
いつわることなく、くらす。
本日は
そんなお話を一緒に考えて参りましょう。
多くの喜びと 少なからずの悩みと
仕事柄、
たくさんの経営者にお会いします。
私も経営者ですから、
経営者同士の立場で
腹を割って
心の中や会社組織の内情を
語り合うこともあります。
経営することから派生する
多くの喜びと
少なからずの悩みと。
そんな話をさせていただく中で
お互いに切磋琢磨し、
アイディアを出し合い、
新しい仕事が創り上げられることも
多くあります。
先日、
仲良くさせていただいている
同年代の男性経営者の方と
組織について語っていた時
その方からこんな
言葉があふれ出しました。
「社員は家族なんです」
だから、
いま一緒に働いてくれている社員は
何があっても守ろうと思うし、
一緒にさらなる上のステージを
みせてやりたいって思うんです。
暮らしに困っていたら
同じ屋根の下、
一緒に暮らすこともしてきました。
そうして
やってきた会社ですが、
お恥ずかしながら
実は一度潰れかけたというか
潰してしまったことがあるのです。
なんと、
取引先の倒産で、
売掛金が回収できず
いっきに資金繰りが悪化し、
社員の給料を一切払えず
手当てすることもできず、
社員をみな解雇し、
会社の更生を進めるしかない状況に
陥ってしまったというのです。
優しすぎる気質に
取引先の不景気の状況を
感じていたにもかかわらず、
取引を継続させた
という点では
経営者判断を誤ってしまったのかもしれません。
家族のように関係をあたためてきた
社員を解雇することは
さぞや断腸の思いだったことでしょう。
その時、
驚くことに
3名の社員が
会社に残りたいと申し出てきたのだそう。
「お給料を払えないんだ」
と伝えても、
「ずっと払えないわけじゃないでしょう。
半年くらいは生活できるたくわえがあります。
それまでは無給でいいから
社長と一緒に会社を生き返らせたいんです」
と。
彼はその言葉に
号泣するしかなかったといいます。
彼はいつでも丁寧に言葉を選び、
社員に向き合ってきた。
その姿勢が
社員の心を突き動かしたのだと思います。
心を通過するお金
今では、彼の会社は息を吹き返し、
順調にキャッシュフローを改善しています。
彼の純朴なキャラクターと
会社の創りだす価値の高いサービスに
出資者も現れ、
今や売れっ子の会社経営者として
活躍されています。
彼のポリシーは変わらずに
社員から愛され、
社員を愛し、
周囲から信頼され
周囲を信頼し、
彼のような経営者が増えていったら、
日本の「働く」は
もっと楽しい時間と空間になるのにな、
と強く感じます。
彼がお給料をもう払えないと
社員に伝えたとき、
社員がそれでも会社に残ったのは
手にすることはできないけれども
心を通過していくだけでよい
お金がそこに存在していたのでしょう。
お金じゃない、
社長の一大危機を
なんとしても俺たちで守るんだ
という、
心の価値は
今でいう
シェアリングエコノミーのように、
お金を介さない、
心と心と対話を表現したものだったのだと
感じます。
お天道様は
いつでも私たちを見守ってくれている。
いつでも
ていねいに、
いつでも
いつわりなく。
そうしていくことで
循環していくものがある。
私たちが
普段からやさしさを
心がけていくことで
生み出される大きな価値があること
2020年旧正月を迎えたこの時期に
いまいちど
意識を向けておきたいものです。